リーマン元社員「また起こり得る」 会社になお愛着、借り手に同情も (1/2ページ)

リーマン・ブラザーズ旧本社の前に立つ元社員のリン・グレイさん=米ニューヨーク(共同)
リーマン・ブラザーズ旧本社の前に立つ元社員のリン・グレイさん=米ニューヨーク(共同)【拡大】

 私物入りの段ボール箱を抱え、ニューヨーク中心部の本社を後にする従業員-。米証券大手リーマン・ブラザーズが経営破綻した2008年9月15日以降、テレビで繰り返し放送された場面だ。失望の一方で会社への愛着は持ち続け、自宅を失ったサブプライム住宅ローン借り手に同情も。「リーマン・ショック」は今も元社員にさまざまな感情を思い起こさせる。

 三振

 「すぐ出社してくれ」。不動産部門で総務責任者をしていたリン・グレイさん(69)は破綻前日の日曜日の朝、上司から呼び出された。「君のパソコンに保存された資料の一部を至急印刷してほしい」と指示された。2社と身売り交渉をしており、買い手が決まったときに使うと説明された。

 午後3時。上司から突然「作業を止めていい」と言われた。交渉は全て打ち切られたという。

 帰宅後、深夜のテレビニュースで本当に破綻したことを知った。翌朝本社に向かったが、立ち寄ったコーヒー店で列に並んでいたとき、不意に涙がこぼれた。11年以上、破綻の原因とされた不動産部門で働いた。「女性、高齢、不動産-。これで三振よ」。職を失った。

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