水耕栽培と水産養殖掛け合わせ プラントフォーム、植物工場稼働へ (1/2ページ)

データドックのデータセンター。隣接地にプラントフォームの生産工場を設置する=新潟県長岡市
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 水耕栽培と水産養殖を掛け合わせた新しい植物工場「アクアポニックス」の事業を手掛けるプラントフォームは、年内に新潟県長岡市で生産工場を稼働させる。来年初頭には野菜の出荷を始めるとともに、施設設備の設置・運営などのコンサルティングにも着手する。国内ではまだ実施例が少ない農法に関心は高く、既に自治体や企業などから問い合わせが寄せられている。初年度は5000万円の売り上げを予想しているが、2025年度には10億円に伸ばす考えだ。

 プラントフォームは、データセンターを運営するデータドック(新潟県長岡市)執行役員の山本祐二氏らが出資して設立し、同氏が最高経営責任者(CEO)に就任した。

 データドックのデータセンター隣接地に生産工場を設置。屋内でリーフレタスなど葉物野菜やワサビの水耕栽培と、チョウザメの水産養殖を同時に運営する。データセンターのサーバーやIT機器が発する大量の排熱と、寒冷地の特徴を生かした雪や氷の冷たさを利用する雪冷熱といった余剰エネルギーを活用する。養殖している魚のフンなどを作物の肥料とするため従来の水耕栽培と違い、化学肥料を使わない安全安心な野菜を生産できる。

 同社によると従来の植物工場と比べ、初期コストは4分の1、ランニングコストは10分の1ですみ、魚の販売が加わるので売上高は15%増加するとしている。

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