【インタビュー】サントリー 日本ワイン増産、地元と積極的に挑戦


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 □サントリーワインインターナショナル国産ブランド部長・松尾英理子さん(49)

 --国産ブドウだけを使用した「日本ワイン」の取り扱い状況は

 「ここ数年、生産量も販売量も前年比で2桁増が続いている。特に今年は非常に好調だ。インバウンド(訪日外国人客)も含め、日本でワインを飲むならば日本産がいいという流れが進んできたが、最近ではコンビニやスーパーにも並ぶようになり、間口が広がっている」

 --10月30日からは日本ワインのラベルの表示ルールが厳格化される

 「2010年に品ぞろえを刷新した際、ラベルも全て新ルールに対応した。その後も、自社ワイナリーがある長野の『塩尻』を強調したり、津軽などのワインラベルに『~産』という文字を入れたりしている。昨年からは『日本ワイン』という表記も入れた」

 --ブドウ産地でも期待が高まっている

 「10年の刷新から自治体がすごく応援してくれるようになった。長野県高山村では、村の名前を掲げた日本ワインを初めて造ったところ、コンクールで入賞して村の認知度が上がった」

 --グループ会社の「岩の原葡萄(ぶどう)園」がある新潟県上越市でも、今年生誕150周年を迎えた創業者の川上善兵衛氏の知見を生かした取り組みが注目されている

 「雪深い岩の原では、非常に厳しい環境の中で良質のブドウを造り続けてきた。サントリーが自家ブドウ園を中心に、さまざまな土地で得た知見と地元の英知がミックスされ、素晴らしいワインを造ることができている」

 --今後の事業展開のポイントは

 「増産にあたり一番のネックは原料のブドウの確保が難しいこと。農業との連動が重要だが、日本の農業は高齢化や過疎化が進んでいる。サントリーの『やってみなはれ』の精神で地元と積極的に挑戦したい」

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【プロフィル】松尾英理子

 まつお・えりこ 早大卒。大手百貨店を経て、1997年、サントリー入社。サントリー食品インターナショナル国際事業部ブランド戦略部課長、サンリーブ飲料営業推進部担当部長、サントリーフーズ営業推進本部課長を歴任し2018年9月から現職。東京都出身。