
生スピルリナを使った商品を手に打ち合わせをするタベルモの佐々木俊弥社長(左)【拡大】
量産化を機に、提携する三菱商事グループのローソンなどと協力の可能性を探るほか、米国や中国など海外市場も開拓したい考えだ。
ビジョンは「食品や培養の開発を通じて将来の食糧問題という社会課題の解決」にある。
2050年の世界人口は90億人を突破すると予想されている。新興国の経済成長を背景に、「世界のタンパク質需要は05年に比べ2倍の供給量が必要となるが、30年頃には需給が逼迫(ひっぱく)し、不足が顕在化するとの予想もある」。米国で肉の代替としてエンドウ豆など植物由来の人工肉も相次ぎ登場しているが、タベルモは、日本発の生スピルリナ生産技術でタンパク質不足の課題解決に貢献する。
これまで一般的に販売されてきた乾燥粉末や錠剤は、えぐみや苦みといった味がネックとなって普及が進んでいない。
透明フィルムで保護
農業生産法人と藻を生産するプロジェクトに参加したところ、農家の人が偶然生で食べてみるとえぐみがないと気づき、佐々木氏も試したところ無味無臭だった。殺菌工程で熱を加えるときに、細胞が変化することによって、えぐみや苦みが加わることが分かった。