【株式ニューカマー】IT駆使し中古不動産市場を開拓


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 □GAテクノロジーズ・樋口龍社長

 GA technologies(GAテクノロジーズ)は、情報技術(IT)を駆使して中古不動産販売を手掛ける。ITと売買・仲介を融合させたことで業務が高効率化して2013年の設立以来急成長し、7月25日には東証マザーズ市場に新規上場した。樋口龍社長に今後の成長戦略について聞いた。

 ◆アプリで資産管理

 --旧株主のTATERUに不正融資問題があった

 「当社ではコンプライアンス(法令順守)重視を徹底しており、不正融資の実態はない。TATERUは既に当社株式を全て売却していて、現在資本関係はない。当社では販売部門とは独立したファイナンス専門部署が融資業務を担当しており、不正が起きにくい体制になっている」

 --具体的な事業内容は

 「Renosy(リノシー)という中古不動産に特化した流通サービスのプラットフォームを運営している。物件の情報提供、売買仲介、リノベーションのほか、販売後にはアプリを活用して資産管理までを一貫して手掛けている」

 --他社とのビジネスモデルの違いは

 「一般的に不動産プラットフォーム事業者は、広告料収入をビジネスモデルとするが、当社は売買・仲介で収益化を図っている。なぜなら不動産広告市場は約1300億円にすぎないが、売買・仲介市場は約43兆円と圧倒的に規模が大きいからだ。事業を大きく成長させるためにも、ITと売買・仲介を融合して業界を変革させていく」

 --なぜ中古住宅を取り扱うのか

 「政府は中古住宅流通市場を拡大する方針を掲げているので、今後、中古住宅購入やリフォーム需要が活性化するとみている。このため今後の成長市場という期待を込めてマンションを中心とした中古物件を取り扱っている。米国では中古住宅の流通が約9割で、新築に比べて圧倒的な市場がある。それに対して日本は4割にも満たないが、近年着実に上昇しているので伸びていくだろう」

 ◆業界初のAI戦略室

 --ITシステムの特徴は

 「システム・ソフトウエアは、全て社内エンジニアによって内製化している。全従業員のうちエンジニアは約4割になる。全社を挙げてIT導入に先進的に取り組み、不動産業界では初と思われるAI(人工知能)戦略室も設置した。他に大学との共同研究、ベトナムとの開発連携のほか、外部有識者にも参加してもらっている」

 --業績の推移は

 「設立以来、堅調に伸びている。18年10月期は売上高が前期比2倍の191億9600万円、経常利益が同79.3%増の6億300万円を予想している。経常利益率は3.5%だが、5~7%は投資に回している。1、2年の短期的な成長は求めていない。売上高成長率を重視して、5~10年後の市場を取りに行くために積極的に投資をしていく」

 --今後の事業方針は

 「リノシー事業を強化していく。既存の事業でのノウハウを元に市場を広げてデータ収集を進める。不動産業と親和性の高い金融、保険、建設などの領域で、協業も視野に入れながら積極的にビジネスを進めていく」

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【プロフィル】樋口龍

 ひぐち・りょう 帝京高卒。2001年佐川急便入社。07年青山メインランドを経て、12年GLOBAL GA代表取締役。13年3月GAテクノロジーズを設立し現職。35歳。東京都出身。

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【会社概要】GAテクノロジーズ

 ▽本社=東京都渋谷区広尾1-1-39 恵比寿プライムスクエア8階

 ▽設立=2013年3月

 ▽資本金=1億円

 ▽従業員=216人(2018年8月末時点)

 ▽売上高=191億9600万円(18年10月期予想)

 ▽事業内容=中古不動産のポータルサイト運営、売買・仲介など