【広報エキスパート】住友林業 「木」を通じて豊かな生活を訴求 (2/2ページ)


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 --広報体制は

 コーポレート・コミュニケーション部は、私を含めて総勢20人。広報・IR(11人)、広告ブランド・ウェブ(8人)で構成しています。4月に社の経営理念と行動指針を改定しましたが、旧経営理念を定めた01年からの17年間で事業は大きく拡大しました。

 当時、グループの従業員は約9400人、グループ会社は61社、売上高は約6800億円でした。現在は、従業員約1万8400人、グループ会社139社、売上高約1兆2000億円に拡大しました。国内外でさまざまな価値観を持つ従業員が働いていることから、気持ちを一つにするため、グループ報「樹海(じゅかい)」などで情報を共有、発信し、企業価値向上を目指しています。

 --積極的なCSR活動の一つに、名木や貴重木を後世に受け継ぐ活動があります

 15年には、京都・北野天満宮の御神木で、菅原道真公の“飛梅伝説”で有名な「紅和魂梅(べにわこんばい)」の組織培養による増殖に成功しました。また、東日本大震災の被災地では、「奇跡の一本松」や「希望の芝プロジェクト」などで、バイオテクノロジーによる技術提供をしました。こうした取り組みもタイムリーに発信することで、「木や木材を通じて豊かな社会をつくっていきたい」という住友林業の姿勢を幅広い層に理解してもらいたいと思っています。(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子)=随時掲載

                   

【プロフィル】大野裕一郎

 おおの・ゆういちろう 1988年慶大商卒、住友林業入社。ニュージーランド、アムステルダム駐在、総務部秘書、海外開発部グループマネージャー、シアトル駐在所長、木材部グループマネージャーを経て2014年コーポレート・コミュニケーション室長。17年から現職。