【トップは語る】ジャコーレ イスラエルとの事業成功例増やす


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 □ジャコーレ最高経営責任者(CEO)・平戸慎太郎さん(43)

 --イスラエルが「中東のシリコンバレー」として注目されている

 「世界のIT業界をリードする米国のシリコンバレーに勝るとも劣らない優れた技術を持つ企業が集積している。日本ではここ数年でようやくイスラエルに目を向けるようになったが、欧米では既に20年以上前から注目されていた。当社は日本企業とイスラエル企業の間で、協業やM&A(企業の合併・買収)仲介、市場進出などのコンサルティングを手掛けている」

 --イスラエルの産業の強みは

 「軍事技術を応用したソフトウエア産業に秀でている。特にサイバーセキュリティーは世界最高レベルと言っていいだろう。周辺国との緊張関係から意思決定も速く、先端技術研究のために重要な要素である豊かな発想力を持っている」

 --どのような国民性なのか

 「はっきりと包み隠さず、率直に意見を述べる傾向がある。遠回しな表現を使う日本人とは明らかに違う。全く逆と言ってもいいだろう。これがトラブルの原因になることがある。対日感情は、第二次世界大戦時にナチス・ドイツの迫害を逃れて来たユダヤ人難民に“命のビザ”を発給した杉原千畝のエピソードもあり、非常に良い。また情に厚い人間関係を好むので、日本人との相性はいいだろう」

 --今後の事業計画は

 「日本とイスラエルの間はまだビジネスの成功事例が少ないので、これから増やしていきたい。当社を起業してから、日系自動車メーカーと現地のデータ活用ソリューション企業を引き合わせたり、イスラエル企業の日本での商品販売を支援してきた。来年中にはイスラエルのスタートアップ企業への投資にも乗り出す計画だ」

                  

【プロフィル】平戸慎太郎

 ひらと・しんたろう 慶大法卒。1999年NTT入社。シカゴ大学ロースクールを経て、法律事務所や米ゼネラル・エレクトリックに勤務。2011年楽天入社。国際部新規事業長、デジタルコンテンツカンパニー最高執行責任者(COO)などを歴任。17年7月、ジャコーレを設立し現職。東京都出身。