【遊技産業の視点 Weekly View】新規則機のネット評価について


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 □ホールマーケティングコンサルタントLOGOSプロジェクト上級研究員・岸本正一

 パチンコもパチスロも、改正規則の下で開発された射幸性を押さえたマイルドな新規則機がいよいよホールに登場し始めた。これらの機種に対するプレーヤーの反応を、おそらくメーカーもホールも注視していることだろう。だが、実際のところネット上では、このような新規則機に対するネガティブな意見が支配的な状況にあるのは事実だ。射幸性をマイルドにしたこれらの遊技機に「大勝ちできない」「刺激が足りない」とばかりに酷評するコメントが多く見受けられる。

 プレーヤーの反応を調べるという点において、ネット掲示板を閲覧するのは確かに合理的な方法といえる。ただ、ネット掲示板の特性を十分に加味した上で、これらの意見を取り扱う必要がある。

 そもそも何か(誰か)を批判する、悪口を言うという行為にはある種の刺激が伴う上、プレーヤーの対局に位置するメーカーやホールを批判する行為には賛同者も多くなる。結果的に、批判は快楽につながることになり、一層このような行為に拍車が掛かるというものだ。

 現在のパチンコ・パチスロ市場において、1円パチンコや5円パチスロに代表される低貸玉遊技がここまで普及した背景を考えれば、過半数のプレーヤーが大勝ちを期待しているわけではない。仮に規則が180度変更され、より高い射幸性の遊技機を作ることができるようになったとしても、現在、低貸玉遊技で楽しんでいるプレーヤーがこぞってこれらの機種でお金を使って遊んでくれるとは考えにくい。

 ネット上で新規則機に対して不満を述べるプレーヤーは、あくまでも現在の市場の一部のプレーヤーであり、市場の大多数の意見を代弁しているわけではない。また、批判の矛先として現在は新規則機が最も旬なテーマであり、その的になりやすいのも事実だ。メーカーもホールも、これら一部のノイジーマイノリティの意見にあまり焦りを感じず、しっかりと“脱・高射幸性”の道を歩みながら、遊技のさらなる面白さを追求してほしい。

                   

【プロフィル】岸本正一

 きしもと・しょういち 1963年生まれ。元SEの経験を生かし、遊技場の集客メカニズムを論理的に整理・研究する傍ら、全国のパチンコホールを対象にコンサルティングを行う。雑誌への連載やテキストの出版、セミナーでの講演なども手掛ける。オベーション代表。