【スポーツi.】スポーツ界への企業投資促す戦略必要 (1/3ページ)

 米メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンが開幕した。レギュラーシーズンとは裏腹にスタンドのファンは総立ちになって地元チームに声援を送る。本当の戦いはこれから続く。(帝京大学准教授・川上祐司)

 ここ3年間、MLBアリゾナスプリングトレーニングキャンプに同行し、選手の調整方法は日本とアメリカでは大きく違うように感じる。残念ながらメジャー1年目の大谷選手はトミー・ジョン手術に踏み切った。原因はわが国の野球環境に影響があったのではないか。その影響は単に選手だけの問題ではなくスポーツビジネス全体の問題でもある。

 営業活動は通年で

 MLBは来シーズンのスケジュールを既に8月に発表した。来年2月末から始まるスプリングトレーニングキャンプのスケジュールも9月に発表した。ちょうど小職ゼミナール恒例のアリゾナ合宿でスコッツデールスタジアムを訪問したときだ。

 このスタジアムではサンフランシスコ・ジャイアンツがスプリングトレーニングキャンプを実施するが、昨年よりも約3カ月も早い発表にこの地も大いに盛り上がる。ポストシーズンでにぎわう中でも球団のセールス部門は本格的に営業活動を開始できるのである。それはチケットセールスだけの話ではない。スポンサーシップを含めたスポーツビジネスは年間を通して活発化している。

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