スマホSIMで本人確認 ネットバンキングに安全性

 日本通信とヤマダ電機など3社が、スマートフォンのSIMカードを利用した信頼性の高い本人確認に基づく、金融プラットフォーム(基盤)サービスを来春に始めることが18日、分かった。スマホなどによるインターネットバンキングは、不正アクセスされてお金を引き出されるなどの危険性がある。新しい基盤システムの場合、不正アクセスが困難なSIMカードを本人確認に利用することなどで、安全性の高いネットバンキングやスマホ決済を提供できるという。

 新基盤システム「FPoS(エフポス)」は、スマホに内蔵されているSIMカードの上から貼り付ける本人確認専用のシール状SIMカードを活用。貼り付けるSIMカードは全国1万2千のヤマダ電機グループの専用コーナーで、免許証など顔写真付き身分証明書で本人確認した上で発行される。

 エフポスでは2枚のSIMカードとスマホ本体のそれぞれに割り振られた番号を組み合わせて強固な本人確認を行う。アンドロイド端末でもiPhone(アイフォーン)でも利用することができる。

 エフポスには、すでに日本通信などと実証実験を行っている千葉銀、群馬銀、徳島銀などがサービス開始から参加する見通し。通常のネットバンキングでは短時間だけ利用できる「ワンタイムパスワード」などによる認証が振り込みの際に必要だが、エフポスアプリと連携したネットバンキングでは、エフポスアプリに4桁の番号を入力するだけで安全なネットバンキングが利用できる。

 また、ヤマダ電機の店頭などで利用できる、エフポスアプリと連携したスマホ決済も提供予定。現在、加盟店開拓を進めている。関係者は「最も高度な本人確認システムなので電子商取引(EC)やカーシェアなどさまざまなサービスと連携できる。応用分野は広い」と意欲を見せる。

 エフポスの本人確認の仕組みは、金融庁の実証事業として5月から実験が行われている。商用サービスが始まった後、来春にも監督指針に新たな認証方法として盛り込まれる見通しだ。