【安西洋之のローカリゼーションマップ】1週間、欧州や米国の企業人ら10人と日本企業を巡る旅をした。製造業とサービス業の両領域をみる。目的は製品開発方法のヒントを探ることだ。ミラノ工科大学ビジネススクール主宰で、昨年に引き続き2回目の実施である。
日本の生産・品質管理システムが世界で高い評価を受け、その勢いもあり日本の製造業の生産現場には見るべきものがあるとされてきた。世界の市場メインストリームから外れる「えっ! こんなのを製品にするわけ??」と言われるモノにも、こつこつとエネルギーと時間をかけてきた。
だから日本のモノの開発にも何らかの学ぶべき点があるに違いない、と欧州や北米のエンジニアたちが思うのは妥当だ。
ぼく自身、長い年月の間、欧州と日本を比較して見てきているので、ある程度、彼らの反応は読める。それでもこうして1週間、共に同じ経験をしていると「やっぱりそうだよなぁ」とつくづく思うことがある。
今回は3つあった。いずれも高級ブランドを構築するのに関連する点である。
ディテールに拘り、小さなところも手を抜かずに作り込むために必要なメンタリティがあり、それを実現させるための繰り返しの訓練を飽きずにやる。これが日本の企業の特異点であり、製造業であれサービス業であれ、まったく同じ傾向にある。これが1点目だ。
その点が現在の日本において、生産性の低さを招く反省点としてとりあげられることもままある。ぼくがいつも思うのは、全体像を提示しないと評価されづらいモノ…例えば高級ブランド店…の開発においては、往々にして足をひっぱる作用をする。全体の一貫性が第一優先なので、そうとうに一貫性に強固なものがないと細部が一貫性を崩すのだ。