IoT(モノのインターネット)のデジタル革命で、あらゆるモノにセンサーが付きビッグデータをやり取りする時代。だが、実際にこの世界を実現するには、素材に半導体を接合する実装技術が欠かせない。コネクテックジャパン(新潟県妙高市)は独自開発した世界初の80度の低温低圧の接合技術「モンスターパック」を武器に、衣服やPETフィルムなどあらゆる素材に半導体を実装して多品種変動生産にも対応しようと挑戦し、世界の半導体市場で再起をかける。
北陸新幹線の上越妙高駅から、本社まで車で約10分。途中、パナソニックの巨大な新井工場が見える。平田勝則社長の古巣だ。平田社長は技術開発や販売開拓で辣腕(らつわん)を振るったパナソニック半導体部門の管理職だった。それが2008年のリーマン・ショックで暗転。大リストラを担当させられ「一緒にやって来た優秀な技術者の首を切るのが仕事? 俺は一体何をやっている」。
唯一の救いは当時、週刊誌に連載中の小説で、宇宙関連のエリートエンジニアから父が遺(のこ)した町工場の社長に転身し、奮闘する小説「下町ロケット」だった。09年4月末に会社を退職し、小説の最終回を読みながら、再起を誓った。