苦戦の米車で独り気を吐く「ジープ」 主力モデル11年ぶり改良 日本でのブランド戦略強化

新型「ジープラングラー」を紹介するFCAジャパンのポンタス・ヘグストロム社長=25日、千葉県浦安市
新型「ジープラングラー」を紹介するFCAジャパンのポンタス・ヘグストロム社長=25日、千葉県浦安市【拡大】

 米国車の日本国内での販売が低迷する中、米国発祥のスポーツ用多目的車(SUV)ブランド「ジープ」が独り気を吐いている。欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)日本法人は25日、ジープブランドの主力モデル「ラングラー」を11年ぶりに全面改良し、11月23日に発売すると発表した。活況が続くSUV市場での存在感を高める狙いだ。

 トランプ米大統領は、日本が輸入車に課す関税がゼロにもかかわらず日本の自動車市場の閉鎖性を指摘し、米国車の販売不振について不満を示してきた。

 こうした動きを横目に着々と日本市場で攻勢をかけるのが、軍用車が発祥の四輪駆動SUVで世界的に知られるジープだ。主に米ミシガン州の工場で生産し日本に輸出している。

 ラングラーはジープの日本販売の約4割を占める中型SUVで、新型は今春から米国を皮切りに各国に順次投入。改良を機に、従来の排気量3.6リットルエンジンに、力強い加速と低燃費を両立できる新開発の2リットルターボエンジンを追加。安全機能も強化し、街乗りで経済的に使いたい顧客の声に応えたという。

 日本の輸入車市場はドイツ勢が圧倒しており、販売競争で劣勢が続いた米フォード・モーターが日本から撤退するなど苦戦が目立つ。日本自動車輸入組合によると、米国系ブランドの国内販売はその後も低迷し2017年は約1万4000台。輸入車全体に占めるシェアはわずか4.4%にとどまった。

 こうした中でジープは、国内約75の正規販売店を通じブランド戦略を強化。販売店をジープを想起させる黒の外観に改装するなどした結果、国内販売台数は右肩上がりで推移し、17年に1万台の大台に乗せた。09年の約10倍の実績だ。

 25日に千葉県浦安市で開いた発表会で、FCAジャパンのポンタス・ヘグストロム社長は「日本でこれほどの成長を見せたブランドは他にない」と胸をはった。今年は1万2000台の達成を目指す。

 ブランドと走りの両面で「個性」を際立たせるジープの奮闘ぶりは、商品や戦略次第で米国車であっても市場開拓の余地があることを示唆している。(臼井慎太郎)