新日鉄住金とミタル共同買収 6000億円で印鉄鋼大手落札

 新日鉄住金は26日、インド鉄鋼大手エッサール・スチールの共同買収を目指していた世界最大手の欧州アルセロール・ミタルが落札者に選ばれたと発表した。両社による買収額は4200億ルピー(約6000億円)。新日鉄住金は買収により、経済成長に伴い鉄鋼需要の増大が見込まれるインドの事業拡大の足掛かりを築く。

 エッサールは粗鋼生産量がインド4位で、建材向けに強みを持っている。2017年にインドの倒産・破産法の適用を受け、債権者委員会が経営再建に向けて譲渡先を探していた。JFEスチールの関連会社もロシア系の投資会社などと組んで買収を狙っていた。

 買収完了にはインドの裁判所のほか、インド国内外の規制当局からの承認が必要となり、時期は未定。出資比率はアルセロールが過半を持つが、新日鉄住金とほぼ対等になる予定で、詳細は今後詰める。両社は買収後、設備投資などで800億ルピーを投じることも計画している。

 新日鉄住金とアルセロールは米国で合弁事業を手掛けるなど関係が深い。