
報道陣に公開された四国電力伊方原発3号機の中央制御室=27日午前、愛媛県伊方町(代表撮影)【拡大】
四国電力は27日午前0時半、伊方原発3号機(愛媛県伊方町、出力89万キロワット)の燃料の核分裂を抑えていた制御棒を引き抜き、再稼働させた。午後6時半には核分裂反応が安定的に持続する「臨界」に達した。30日に発送電を始め、11月28日に営業運転に移る見通し。
四国電は今後、蒸気発生器でつくった蒸気でタービンを回して発送電を開始。出力を徐々に上げて調整運転を続け、原子力規制委員会の最終検査を経て営業運転に移る。プルサーマル発電を行うため、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を原子炉に一部装填(そうてん)している。
3号機は規制委の新規制基準への適合性審査に合格、2016年8月に再稼働した後、昨年10月から定期検査に入った。
四国電は今年1月の稼働を見込んでいたが、昨年12月の広島高裁の運転差し止め仮処分決定により運転停止が継続。同高裁は、熊本県・阿蘇カルデラで大規模噴火が起きた際、火砕流が原発敷地に到達する可能性を指摘した。
しかし、今年9月25日、同高裁が「破局的噴火が起きる可能性の根拠が示されていない」とする異議審決定を出し、再稼働が可能となった。
稼働中の原発は関西電力高浜4号機、九州電力川内1、2号機など計8基となった。