災害対策後押しする団体保険注目 損保ジャパン、自治体の避難所開設費など補償 (1/2ページ)

西日本豪雨で浸水した住宅(左上)、北海道の地震の被災地(右上)、避難所で炊き出しに並ぶ人たち(左下)、台風24号接近で岸に打ち寄せる高波(右下)のコラージュ
西日本豪雨で浸水した住宅(左上)、北海道の地震の被災地(右上)、避難所で炊き出しに並ぶ人たち(左下)、台風24号接近で岸に打ち寄せる高波(右下)のコラージュ【拡大】

 今年の日本列島は大型台風や豪雨、地震と自然災害が相次ぐ。被害の発生に地方自治体が身構える中、避難所開設などの費用を支払い、住民被害を防ぐための迅速かつ適切な避難指示・勧告などの発令を後押しする保険が注目を集めている。損害保険ジャパン日本興亜が2017年度に売り出した団体保険で、初年度は150超の自治体が保険のおかげで費用負担を免れた。財政負担の軽減につながることから18年度は加入自治体が倍増、支払件数も上半期(4~9月)だけで150件以上が見込まれており、存在感は高まるばかりだ。

 この保険は、団体契約者として全国市長会が17年4月に、全国町村会が同5月にそれぞれ「防災・減災費用保険」「災害対策費用保険」の名称で取り扱いを始め、自治体に加入を促している。

心理的不安を払拭

 11年3月の東日本大震災以降、住民の生命を守るため早期の避難勧告などを発令する自治体が増えているが、これに伴い避難所の設置や食料・飲料品の供給、生活必需品の提供といった費用負担が発生している。国の災害救助法が適用されると国と都道府県が費用を負担するが、17年度に発令された避難勧告約2000件のうち災害救助法が適用されたのは120件超と1割にも満たない。18年度上半期も900を超す自治体が避難勧告を発令したが、災害救助法に適用されたのはわずか117自治体にとどまる。

 適用されなければ、全ての費用は自治体が賄わなければならない。しかも予想通りに台風や豪雨が到来しなくても、被災に備えれば、避難所開設などの費用は発生するため、人口減少などで財政の厳しい自治体の中には早期の避難勧告発令をためらうところもあるという。

 こうした心理的負担を軽減するため、損保ジャパン日本興亜は災害時の活動費用を補償する保険を開発した。団体・公務開発部第三課の横井英二課長代理は「発令権限を持つ市町村長は(予想通り到来しない)空振りの恐れがあっても避難勧告を発令せざるを得なくなっている。保険加入で費用を心配することなく早めに出せる」と指摘。実際に躊躇(ちゅうちょ)することなく避難勧告を出す自治体が増えたという。

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