出光、バイオマス発電事業化検討 石油精製装置の跡地活用

 出光興産は29日、徳山事業所(山口県)で、再生可能エネルギーの一種であるバイオマス発電所の事業化を検討していると発表した。出力5万キロワットの発電設備を建設。固定価格買い取り制度(FIT)を利用して、中国電力に売電するとともに、子会社を通じて環境意識の高い需要家にも販売。2022年度内の運転開始を目指す。

 投資額は明らかにしていない。徳山事業所では14年に石油精製を停止しており、現在は化学事業の主力拠点。更地になっている石油精製装置の跡地にバイオマス発電所をつくる。

 発電燃料については、運転開始から当面は輸入の木質ペレットやパームヤシ殻を使用。中長期的には一定量を間伐材や製材の端材など国産材にシフトする。

 年間の発電規模は約10万世帯分の電力に相当する3億6000万キロワット時。年間で約23万~30万トンの二酸化炭素(CO2)削減を見込む。

 出光は既に高知県や福井県の再エネ企業に出資しバイオマス発電事業に参画しているが、自社単独で手がけるのはこれが初めて。