【高論卓説】「PC文化」アップルの訴え 「データ産業複合体」の弊害を警鐘 (1/2ページ)

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 グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの4社は、その頭文字を取ってまとめ「GAFA(ガーファ)」と呼ばれることがある。いずれも米国企業で億単位のユーザーが利用するインターネット企業という側面を持っており、人々の暮らしの隅々まで支配する圧倒的な存在感を持つ会社である。

 ただし、4社ひとまとめのGAFAという表現は、アップル最高経営責任者(CEO)のティム・クック氏にとっては納得いかないだろう。

 クック氏は、グーグルやフェイスブックがネット利用者の個人情報を「利益を増大させるための武器」として利用していると批判。「国民のプライバシーを保護する包括的な法体系が必要」と訴えているのだ。

 今月25日にベルギーのブリュッセルで開かれたプライバシーに関するカンファレンスに出席したクック氏は、個人データを利益増大のための武器にしている企業を「data-industrial complex(データ産業複合体)」と命名した。その上で、「データが軍隊並みの効率で兵器になっている」と、かなり強い言葉を使って批判した。

 今年5月にEU(欧州連合)は、GDPR(一般データ保護規則)を発効させている。これによってEU域内で活動する企業は、個人データの収集についてユーザーの了解を得ることが必要になったが、米国に同じような規則はない。

 そこで、クック氏はEUと同様の法整備を米国をはじめとする各国が行うべきだと主張している。なぜクック氏は、このような主張をしているのだろうか。

 その根本的な理由は、アップルの企業文化がグーグルやフェイスブックとは全く異なっている点にある。アップルはGAFAの中では、唯一の「老舗」。創業は1976年であり、そもそも「ネット文化」ではなく、「パーソナルコンピューター(PC)文化」をつくり出した企業だ。

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