【スポーツi.】eスポーツ、集客拡大に活用を (2/2ページ)

「東京ゲームショウ2018」で行われたeスポーツの国際親善試合でプレーするオランダと日本の代表選手=9月20日、千葉市の幕張メッセ
「東京ゲームショウ2018」で行われたeスポーツの国際親善試合でプレーするオランダと日本の代表選手=9月20日、千葉市の幕張メッセ【拡大】

 eスポーツには、従来のスポーツ界が狙うべき顧客層がいて、現在においてもJリーグの市場規模に匹敵するほどの金銭が動いているのである。さらにeスポーツには、「見る」スポーツとしても従来のスポーツをしのぐ集客力がある。eスポーツ先進国の一つである韓国では、2014年にソウルのスタジアムに4万人を集めてイベントが行われた。中国でも、通称“鳥の巣”に5万人の観客を集めている。もはやサッカーと同等の「見る」価値を示しているのだ。

 IOCも注目

 若者のスポーツ離れに歯止めをかけるべく、そうした顧客層の取り込みや新規開拓を目的として、従来のスポーツ組織やプロリーグは、eスポーツを新たな集客装置、価値の開発装置の如く活用し始めている。国際サッカー連盟(FIFA)はeワールドカップを開催し、アジアオリンピック評議会(OCA)は先のジャカルタでのアジア競技大会でeスポーツを公開競技として採用した。次回は正式競技となる。

 国内でも、Jリーグやプロ野球が、アメリカではいち早く4大プロスポーツがeスポーツに進出している。国際オリンピック委員会(IOC)とて、若者をひきつけるための戦略としてeスポーツに注目しているという。eスポーツを従来のスポーツと同等で扱うのではなく、スポーツの成長市場化を促す戦略的コンテンツとして捉えたらどうか。そこに協業や協働が生まれていけば、スポーツに新たな市場が生まれるかもしれない。

【プロフィル】今昌司

 こん・まさし 専修大法卒。広告会社各社で営業やスポーツ事業を担当。伊藤忠商事、ナイキジャパンを経て、2002年からフリーランスで国際スポーツ大会の運営計画設計、運営実務のほか、スポーツマーケティング企画業に従事。16年から亜細亜大経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科非常勤講師も務める。