【Sakeから観光立国】WSETがセミナー開催 焼酎、泡盛を世界に

WSETロンドン本部で、握手を交わす濱田雄一郎鹿児島県酒造組合会長(右)とアントニー・モス氏(左)
WSETロンドン本部で、握手を交わす濱田雄一郎鹿児島県酒造組合会長(右)とアントニー・モス氏(左)【拡大】

 □平出淑恵(酒サムライコーディネーター)

 世界的なスピリッツ(蒸留酒)教育に「焼酎」「泡盛」が-。世界最大のワイン教育機関WSET(Wine and Spirits Education Trust)の日本酒講座開発責任者を務めたアントニー・モス氏が、次のミッションとして、スピリッツ講座の開発に取り組んでいる。来年夏に開講する予定だ。

 日本酒講座は開講から5年で世界25カ国に展開。現在実施されている初級講座(レベル1)と上級講座(同3)の受講者は5000人を数え、登録講師が100人を超えるなど高い実績を上げたことは既に書いた。

 スピリッツ業界といえばスコッチやバーボンを含むウイスキー、ジン、ウオッカ、ブランデー、テキーラなど、販売規模や関わる人材の多彩さは想像を絶する。その上級講座のアジアの蒸留酒分野に、焼酎と泡盛が入るというのだ。

 世界規模で行われるこの講座には、スピリッツ業界で決定権のあるプロフェッショナルが、資格取得のためにこぞって受験すると思われる。

 この動きに対して、本格焼酎の産地である鹿児島県は「本格焼酎輸出拡大プロジェクト小委員会」を6月に立ち上げ、鹿児島県酒造組合がWSETに本格焼酎セミナーの開催を申し入れた。快諾したモス氏が講師を務めたセミナーは10月23日、WSET本校で開催。同小委員会運営委員に名を連ねる8つの蔵元が渡英し、セミナーに各蔵の本格焼酎を提供した。

 セミナーは募集から間もなく満席となり、英国以外からも応募があった。

 マスター・オブ・ワインという最高峰のワインの資格をもつモス氏。彼の世界的な酒類全般の深い知識から紡ぎだされ、選び抜かれた世界に通用する表現により、セミナーは本格焼酎のユニークさが世界を魅了することを予見させるものとなった。

 モス氏は8つの蔵元に敬意を表し「鹿児島県の本格焼酎は、ワインの世界でのボルドーのような存在」と語った。鹿児島県は来年、モス氏の招聘(しょうへい)を企画している。

                   

【プロフィル】平出淑恵

 ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年コーポ・サチを設立。世界最大規模のワイン審査会、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のアンバサダー。日本酒蔵ツーリズム推進協議会運営委員、昇龍道大使(中部9県のインバウンド大使)、東北・夢の桜街道推進協議会アドバイザーを務める。