発売中止の作品まで…… アニメの“円盤”は消滅するのか? (2/4ページ)

深夜アニメを支えてきたビデオソフト

 「深夜アニメ」と呼ばれる子ども向け以外の日本アニメは、長らくビデオソフト業界では優等生だった。

 映像ソフト業界は全体が長期低落傾向にある。日本映像ソフト協会の調査によると04年の3753億円をピークに右肩下がり、2017年の販売金額は1876億円と半減している。

 そのなかで大人向けアニメは08年に一度落ち込んだものの、その後は13年までは安定して売れ続けた。映像だけでなく豪華なパッケージBOXやブックレット、絵コンテや特典映像、CDなど盛りだくさんの商品企画も理由の1つだ。堅調な販売から、コアファンに支えられたアニメのビデオソフトは他分野と異なり、コレクターグッズとして残っていくとの見方さえあった。

 状況が一転したのが14年だ。前年比13%減の644億円を記録、以降は15年、16年と3年連続で2桁減となる。下げ率はマーケット全体より大きく、わずか3年で3割以上の市場を失う。

 17年は508億円で16年の509億円とほぼ同じだが、マーケット全体の1割以上の大ヒットとなった『君の名は。』効果が大きい。テレビアニメについては依然厳しい状況だ。

 アニメにとってビデオソフトの販売減少は、他のジャンル以上に死活問題である。深夜遅くにテレビのチャンネルを切り替えると、次々にアニメが登場する経験をした人は多いのではないだろうか?

 「なぜアニメはこんなに多く作られるのか?」「どうやって商売が成り立つのか?」と疑問に思うかもしれない。その鍵はビデオソフトにあった。深夜アニメは、アニメ製作者が自ら放送枠を買い取り、お金を払って放送をする。放送局から放映権料を受け取る通常のテレビ番組とは逆だ。

 アニメはテレビ放送で得た知名度と人気を武器に、その後発売されるビデオソフトで投資を回収する。長らくそうしたビジネスのシステムが続いている。ビデオソフトが売れなければ、これが回らない。

 ところが不思議な現象が起きている。ビデオソフトは売れないのに、テレビアニメの本数はむしろ増える一方なのだ。日本動画協会の「アニメ産業レポート 2017」によると、00年代半ばには200本前後であったテレビアニメのタイトル数は、16年には350本を超えた。

 これにもカラクリがある。アニメに関心を持つ動画配信会社や、ゲーム会社から資金が流れ込んでいるためだ。ゲーム会社はアニメにゲームの認知度向上、ブランドの活性化といったゲーム広告の役割を期待する。

 例えばその圧倒的な映像クオリティーでアニメファンを驚かせたCygamesの『神撃のバハムート GENESIS』。通常をはるかに上回る予算で制作されている。ビデオソフトがヒットしたとは聞かないが、同社がゲーム広告に投じる予算に比べればアニメ製作は大きな負担ではないとみられる。ビデオソフトがなくても、業界はうまく回るようにもみえる。

実は滅びない?