【ぐるなびのチョットぐな話】初のアニメコラボ店「居酒屋のぶ」営業中

各料理には、対応を示す札を設置している
各料理には、対応を示す札を設置している【拡大】

  • ムスリム、ベジタリアン、ヴィーガン対応にアレンジした「おでん」

 日本食のインバウンド需要に期待が高まっている。観光庁の調査によると、訪日外国人の約7割が旅行前に「日本食を食べること」に期待を寄せているとの結果となった。しかし、宗教上の理由などさまざまな事情から気軽に日本食を口にできない外国人旅行者も多く、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、外食業界には日本の食文化を安心して存分に楽しんでもらう取り組みが不可欠だ。

 ぐるなびが製作委員会に参加するアニメ「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」を題材にしたリアル店舗「居酒屋『のぶ』」が16日、東京・浅草の「SamuraiHostel」(1階)のヴィーガン(完全菜食主義者)向け和食店「浅草『侍』屋台」にオープンした。12月16日までの期間限定。

 作中に登場する料理を再現したコラボレーションフードやキャラクターパネルの設置など、作品の世界観を再現。ぐるなびがアニメを題材に店舗をプロデュースするのは初めて。

 同作は入り口がなぜか異世界につながっている居酒屋を舞台に、日本の食文化の魅力を伝える。今年4月から全世界で配信され、10月からはBS11などでも放映されている。

 今回のコラボレーション企画では、「作品に登場する料理を世界中の人々に食べてもらいたい」との思いから、菜食主義者やムスリム(イスラム教徒)らの食事制限に配慮した。西麻布の個室料理店「くすもと」の楠本勝三シェフが監修した8種のコラボメニューを含めて、店内の食事はすべて肉や魚、卵、アルコール類は一切不使用。

 アニメ第2話で登場した「若鶏のから揚げ」は大豆ミートを使いジューシーさと揚げたて食感が再現されている。また、「おでん」には、通常よく使われるカツオだしではなくコンブだしを使用し、ダイコンやコンニャクといった野菜中心の具材を取りそろえた。日本食の作法にとらわれず楽しんでもらおうと、ビュッフェ形式で提供されている。

 オープン前日にはプレスプレビューが行われ、アジアやイスラム圏出身の外国人らがコラボメニューを試食。料理名のタグに記載された食材をチェックしながら、おもてなしの心が詰まった料理の数々を堪能した。原作者の蝉川夏哉さんは「原作をもとに、日本の居酒屋料理の魂を残したままアレンジしていただけた。旅行は異世界との行き来。訪れた方を通して、その方の自国で“異世界”を提供する機会が増えれば」と期待を寄せた。

 おなじみの居酒屋メニューを気張らずに楽しめるのはもちろん、健康志向にもうれしい内容。食材の工夫を凝らしたコラボメニューは、アニメファンならずともぜひ食べてみたい。

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 ■異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~

 r.gnavi.co.jp/nobu