日産人事、ルノーに賛成義務 協定存在 今後の話し合い左右も

 前会長のカルロス・ゴーン容疑者が報酬過少記載事件で逮捕された日産自動車と、筆頭株主であるフランスの自動車大手ルノーとの間に、日産の株主総会で会社側が提案した人事案にルノーが賛成することを義務づけた協定があることが4日、分かった。日産は取締役交代に関してルノーの意向に左右されずコーポレートガバナンス(企業統治)強化につながる人選を進められることになる。協定にはルノー側に有利な内容もあるとみられるが、日産が4日に社外取締役による委員会で後任会長の選定を本格化させる中、今後の資本関係見直しなどの協議では協定の扱いが鍵を握りそうだ。

 協定は日産の株主総会でのルノーの議決権行使について、日産が提案する取締役の任命、解任、報酬についての議案に賛成すること▽日産が同意しない提案を行わないこと▽日産が同意しない株主提案に賛成しないこと-を定めている。ルノーが協定を破れば、日産はルノーの事前了解なしにルノー株を買い増すことができるという。

 日産は今月17日の取締役会でゴーン容疑者の後任会長を決める方針。その後は、株主総会の議決が必要な取締役交代を含む本格的な経営刷新が焦点となる。日産は来年6月の定時株主総会か、それ以前に臨時株主総会を開いて、取締役の人事案を提案。ゴーン容疑者とグレゴリー・ケリー容疑者を取締役から外す方針だ。ルノーは日産株の43%を保有しており、人事に強い影響力を持つ立場だが、協定の存在で手足を縛られる形になる。

 ただし協定には、ルノーが日産の首脳級幹部を派遣するといった内容も含まれているもようだ。これまではゴーン容疑者が両社の首脳を兼任し、「あらゆることを決めていた」(日産幹部)ため、協定の存在がクローズアップされることは少なかった。しかし、資本関係をめぐって両社の考え方に隔たりがある中、決定的な対立を回避するためには、協定を尊重しながら話し合いを進めることが重要となりそうだ。