新日鉄住金の韓国資産、差し押さえも 徴用工訴訟の原告代理人らが協議要請

 韓国最高裁が新日鉄住金に賠償を命じた元徴用工訴訟の原告代理人らが4日、東京都千代田区の新日鉄住金本社を訪れ、賠償方法などに関する協議を申し入れる要請書を受付に手渡した。その後、日本外国特派員協会で記者会見し、24日までに同社から回答がなければ、年内に韓国内の資産の差し押さえ手続きに入る考えを明らかにした。

 代理人の林宰成弁護士と金世恩弁護士は会見で、新日鉄住金が韓国内に持つ資産には、同社と韓国鉄鋼大手ポスコの合弁会社の株式約11億円相当や3000件以上の知的財産権などがあると説明。一方「資産の差し押さえ手続きと、資産を現金化する手続きは別物だ」とし、差し押さえ後もあくまで協議を通じた解決を優先する立場を強調した。

 代理人らは本社を訪れた際、新日鉄住金側との面会も求めたが断られ、要請書を受付に預けた。11月12日にも訪問したが、その際は警備員が「(判決は)日韓請求権協定や日本政府の見解に反するもので遺憾だ」と伝達。代理人らは要請書を持ち帰っていた。

 林氏は会見で、訴訟を長年担当してきた弁護士が2度来日したのだから「顔ぐらい見せてくれてもいいのではないか」と述べ、同社の対応は「ひきょうだ」と批判した。