まず、ブロックチェーンの特性を活かしたハイペリオンは、データ改ざん等ができなくなり、正確な情報がより蓄積しやすくなった。従来型のデジタル地図よりも圧倒的な更新頻度を誇り、悪意の情報によって正しい地図情報が塗り替えられる心配もない。
次に、トークンによるインセンティブ付けが可能となった。従来の地図では、地図データを提供したユーザーに何の報酬もないのが通常である。しかしハイペリオンでは地図データをアップロードしたユーザーに報酬(トークン)が渡される。この仕組みを、ハイペリオンではマップマイニングと呼ぶそうだ。
なお、ここでいうトークンとは該当サービス内で使える通貨である。ポイントのようなものを想像頂けばわかりやすい。地図データを活用したい企業や個人は、地図データを購入する際にトークン支払いをすることが可能である。
予定では、ハイペリオンが提携する店舗において、トークンを使った決済が可能となる。そのため、ユーザーはマップマイニングに参加するモチベーションが生まれやすい。
2018年末にはユーザーが地図作成用画像をアップロードするためのアプリ「dMapper」がリリースする予定となっている。スマートフォンを使って簡単に身近な地図情報をアップロードして報酬を受け取ることができる。2019年前半にはこの集められた写真を使ったナビゲーション地図アプリもリリースされる予定だ。
同社CMOのカイ・ローさんはこう言っている。
「我々は日本のマーケットを非常に重要視しております。この分散管理型の地図アプリを使うことでみなさんの生活はより豊かになることでしょう」
地図アプリは、時代のニーズに合わせて大きく進化を遂げるのである。(ジャイアント佐藤/5時から作家塾(R))
《5時から作家塾(R)》 1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。