「万博へ知恵出す」関西同友会次期代表幹事、深野氏

関西経済同友会の深野弘行次期代表幹事(中央)=10日午後、大阪市北区(彦野公太朗撮影)
関西経済同友会の深野弘行次期代表幹事(中央)=10日午後、大阪市北区(彦野公太朗撮影)【拡大】

 関西経済同友会は10日、来年5月で任期満了となる黒田章裕代表幹事(69)=コクヨ会長=の後任に、伊藤忠商事常務理事・社長特命(関西担当)で元特許庁長官の深野弘行氏(61)を内定したと発表した。5月の理事会で正式決定する。大阪開催が決まった2025年国際博覧会(万博)などに向けて、深野氏の豊富な国際経験を生かす。深野氏は「万博で多くの国の人に参加してもらえるよう知恵を出したい」と意欲を示した。(牛島要平)

 深野氏は経済産業省出身で、近畿経済産業局長(平成21~22年)、特許庁長官(24~25年)などを歴任。知的財産問題などで国際協議にかかわった。25年に退官し、伊藤忠に入社。同友会では28年から常任幹事を務めている。

 代表幹事に元官僚が就くのは4人目で、過去には、厚生省(現厚生労働省)の事務次官などを経て、昭和61年に武田薬品工業社長として代表幹事に就任した梅本純正氏らの例がある。

 黒田氏は大阪市内での記者会見で、深野氏を選んだ理由について「海外視察でいつも質問の手を挙げるのが深野さん」と説明。今年9~10月にフランスとイスラエルのベンチャー育成拠点を訪問した際には、同友会の活動を英語版の資料にまとめて発信するなど語学力も目にとまったという。

 深野氏は来年6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)などに言及し、「関西はジャンプ台に立ちつつある。力を結集して発展に持っていきたい」とした。

 万博に向けては「この1、2年が重要な時期。他の経済団体や国と連携しながら(準備を)進める。ベンチャーが(実証実験に)活用できる仕組みをつくりたい」と述べた。代表幹事は2年務める慣例で、深野氏は池田博之代表幹事(58)=りそな銀行副会長=とコンビを組む。