中国製品の排除問題、情報セキュリティーの専門家に聞く (2/2ページ)

 □戸川望・早大大学院教授

 不正回路の研究は全然不足

戸川望・早大大学院教授

戸川望・早大大学院教授

 華為技術の製品に情報を外部送信する問題が実際に見つかっているわけではない。ただ物理的には何でもできる。可能性があるという問題だと思っている。

 ただ中国製品を排除しても、それでは不十分だ。それはハードウエアの中に入っているICチップの問題があるからだ。チップの中にウイルスのような働きをする不正回路が仕込まれることがあり、米国では以前から研究されている。

 最近のICは複雑、高機能になり、自社で全てを設計、製作する企業はない。多くの場合、誰かが既に設計した回路をパーツとして使う。中国以外の製品の中に華為や関連会社が設計した回路が入り込む余地がある。

 不正回路を入れられると外部から通信を傍受されたり、機能を停止させられたりといった恐れがある。

 この問題への対処は喫緊の課題だ。国内でも研究を始めたが、まだ全然足りていない。回路の設計データをスキャンして、危険性があるかどうかを検知する技術をつくりたい。

【プロフィル】戸川望

 とがわ・のぞむ 1970年、埼玉県生まれ。北九州市立大助教授などを経て現職。専門は情報工学。