事業承継、ファンドが支援 地方で投資活発、中小の受け皿に

ファンドの主な支援対象と内容
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 投資ファンドなどが後継者難に直面する中堅・中小企業の事業承継の受け皿となる動きが広がっている。外部から資金と経営ノウハウを入れることで成長が見込めるとの期待が高く、ファンド側は新たな投資の好機と捉える。経営者の高齢化が進む地方での投資検討も活発になってきた。

 経済産業省の推計によると、2025年までに70歳を超える中小企業の経営者は全国で約245万人。うち半数近くは後継者が決まっていない。一方で業績そのものは好調な企業が多く、後継者問題は今後ますます深刻化するとみられる。

 アドバンテッジパートナーズ(AP、東京)は、事業承継を考える全国の銘菓や地場産品メーカーを対象にした投資枠を設け、8月には第1号として東日本の老舗洋菓子メーカーに出資した。

 市場調査や海外展開を進めることで業績の拡大が見込める企業が多いと判断した。APの市川雄介プリンシパルは「地元企業が必要としているノウハウを提供し、地域を支える人材を育てたい」と意気込みを語る。

 オリックスは売上高が10億円以下の企業の事業承継を支援する。小規模の案件を積極的に手掛けることで「地域の雇用を守り、自社の存在感を高める」(担当者)狙いがある。融資やリースといった既存の顧客基盤維持にもつながるという。

 あおぞら銀行と日本アジア投資が共同で設立したAJキャピタル(東京)のファンドは、出資者に北都銀行や愛媛銀行などの地方銀行7行が名を連ねたのが特徴だ。情報網を活用して10社弱への投資を見込む。小林正行社長は「大手のファンドが手掛けないような中小企業に焦点を当てたい」と話す。