高論卓説

三陸の復刻木造和船「気仙丸」 存続危機、日本の技を残す制度必須 (2/2ページ)

 人工知能(AI)や高速の次世代通信システム「5G」の時代だからこそ価値があるという逆転の発想も大事だ。そのアナログ技術が次のハイテク技術につながることもあるし、そのアナログ技術自体が特に地方における貴重な文化資源となることもある。

 そんな貴重な日本のアナログ技術を残し、大事にすることは、日本を世界の中で尊敬されながら残すことにつながっていく。消えゆく日本のアナログ技術やそれが支えている日本の文化を残していく工夫を今こそ行わないとその可能性は消滅する。効率化の下に切り捨てられていくモノは一度絶えたら取り返しがきかない。

 気仙丸は、現在その存続の危機であるらしい。老朽化による修理の必要があり、その維持に関係者は苦慮しているという。

 世界が求める日本の文化は、残念ながら地方にしかなく、その地方の文化も経済効率の中で廃れていく運命が予見される。ましてや、大船渡市は東日本大震災の被災地。その地が生んだ技術や文化を次世代につなげることは、地方の活性化というよりも、これからの日本を守ることにもつながる。

【プロフィル】吉田就彦

 よしだ・なりひこ ヒットコンテンツ研究所社長。1979年ポニーキャニオン入社。音楽、映像などの制作、宣伝業務に20年間従事する。同社での最後の仕事は、国民的大ヒットとなった「だんご3兄弟」。退職後、ネットベンチャーの経営を経て、現在はデジタル事業戦略コンサルティングを行っている傍ら、ASEANにHEROビジネスを展開中。富山県出身。

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