IoTで農業高度化 通信業界が市場開拓に本腰 (1/3ページ)


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  • 大阪市内のNTT西日本のビル内で試験栽培されているイチゴ(NTT西日本提供)
  • NTT西日本のビル内で行われているイチゴの試験栽培=大阪市内(同社提供)

 農業従事者が20年あまりで6割近くも減少するなか、情報通信各社が人工知能(AI)やあらゆるものをインターネットでつなぐIoTを活用し、農業を高度化する事業に乗り出している。NTT西日本は大阪市内の自社ビルで高品質イチゴの試験栽培を始め、KDDIも水田で水の管理などの実験を行い、最適な育成環境の再現や省力化を図る。情報通信業界が得意とするデジタル技術によって、深刻化する労働力不足解消とともに、新たなビジネスチャンスを狙う。(黒川信雄)

 大阪市東成区のNTT西のビルの一室には何段もの棚が設けられ、大粒のイチゴが実る。色つやもよく甘みも十分に育っている。

 NTT西は、イチゴ生産工場を手がける「いちごカンパニー」(新潟県胎内市)などと共同で試験栽培を始めた。センサーや通信技術を使い、光や水の量などを制御しながら育成データを収集。グループ会社のNTTスマイルエナジー(大阪市中央区)が解析し、効率的にイチゴを生産できる環境を作りだし、パッケージ化して植物工場の運営事業者などに売り出す考えだ。

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