脊髄損傷治療に再生医療実用化 札幌医科大とニプロ

 札幌医科大と医療器具大手「ニプロ」(大阪市)が共同開発した脊髄損傷に対する治療用の幹細胞「ステミラック」が、厚生労働省から製造販売の条件付き承認を受けた。脊髄損傷に対する細胞医療として初の実用化になり、今春から治療を開始する見込み。

 けがから31日以内の重症患者が対象。骨髄液を採取し、間葉系幹細胞を取り出して増殖させ、静脈に注射する。幹細胞が損傷した神経の再生を促し、知覚や運動機能が回復。リハビリ以外の有効な治療手段となることが期待されている。同様の治療で、脳梗塞やパーキンソン病などの神経疾患でも症状の改善が見込めるという。

 最大7年間の期限でリハビリのみの患者と回復を比較し、有効性が示されれば販売を継続できる。札医大の本望修教授は「慢性期の患者に対しても研究を継続したい。一人でも多くの患者を救いたい」と話した。