【2019 成長への展望】ファミリーマート社長・沢田貴司さん(61)


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 ■ニーズ変化に対応で常にチャレンジ

 --昨年はブランド一本化を成し遂げた

 「2016年9月にユニーグループ・ホールディングスと経営統合し、ユニー傘下のサークルKとサンクスの計約5000店のファミリーマートへのブランド転換が昨年11月末までに完了した。全く環境の違う両ブランドが統合を成し遂げた。統合したときは混乱もあったが、オペレーション、配送、物流、工場など現場は大変な苦労をして統合を成し遂げた」

 「一方で、未来がない店舗には投資すべきではないと判断し、閉鎖も進めてきた。苦労を乗り越えて2年という短期間で一気に店舗数を5000店増やすことができ、ファミマというブランドにとって価値のある統合だったと思う」

 --ジム、ランドリーなどとのコラボ店を展開する

 「コンビニエンスストアはいかに敏感にニーズの変化に対応できるかが問われる業態だ。だが、現場は人手不足が進み、集客力も低下するという課題がある。加盟店の現場に負担をかけない形でどうするかと考えてきたとき、健康志向で人気が高まってきたスポーツジムに着目した。コンビニとの併設なら24時間利用可能で、買い物もすぐにできるなどメリットが多い。今年5月末までに5店を出す」

 「ランドリー併設店も双方向での送客など利点があり、結果もよいため今年2月までに計10店に増やしていく。(ディスカウントストアの)ドン・キホーテ店舗のノウハウを採り入れた実験店も集客力が高く注目されている。(斬新なアイデアに)常にチャレンジし続けることが大事だ」

 --デジタル化施策も求められている

 「現在、『ペイペイ』『ラインペイ』『d払い』などスマートフォンのアプリを使ったキャッシュレス決済が導入されている。さらにアクセルを踏み込んでいきたい。ただ、デジタル化すればするほどアナログにならなければならない面もある。地方ではコンビニが警察や郵便局のようなインフラになっていくのではないか。みんなが寄り集まる拠点として、店作りは地域密着型になることが必要だ。社員もその地域に家族とともに住んで、すぐに加盟店のもとにも駆けつけられるなど、地域に貢献できるようにしていきたい」

 --消費税増税を控えるが景気認識は

 「(年末の株価下落など)既に景気は減速しているかもしれない。ただ、消費はきついと思うが日本の市場は大きい。奇策はなく愚直にやるしかない。新店の売上高は好調に推移しており、ミスのない『正しい出店』を進めたい」

【プロフィル】沢田貴司

 さわだ・たかし 上智大理工卒。1981年伊藤忠商事入社。97年ファーストリテイリング入社。同社退社後に企業支援会社のリヴァンプなどを設立。2016年ファミリーマート取締役に就任し、同年9月から現職。石川県出身。