【2019 成長への展望】セブン-イレブン・ジャパン社長・古屋一樹さん(68)

セブンーイレブン・ジャパン古屋一樹社長
セブンーイレブン・ジャパン古屋一樹社長【拡大】

 ■中食を強化し宅配サービス導入加速

 --商品、売り場の進化が顕著だ

 「消費者の買い物に対する選択眼がシビアになっている中では、自然体で同じことをしていては前年の売り上げを超すのは厳しい。商品と売り場、売り方をコモディティー化させず変えていけば顧客も大きく反応する。絶えず顧客に刺激を与え続けていかないといけないことがはっきりした一年だった」

 --新レイアウト導入で中食(なかしょく)の取り扱いを強化した

 「間違いなく客数増につながった。具体的にはレンジで温めるカップ麺やチルド弁当などが売れ、健康志向の商品にも人気が集まった。(中食は)一番顕著に伸びている部分だ。今後も(新レイアウトの)導入を加速していく」

 --業界の垣根が消失しつつある

 「セブンは顧客へ『近くて便利』とのメッセージを出してきた。調味料や雑貨など品ぞろえを増やして朝起きてから夜寝るまですべて買える。一方、スーパーはコンビニエンスストアのような総菜などの中食に力を入れてきており、両者が近づきつつある」

 --宅配サービス「ネットコンビニ」の導入を加速させる方針だ

 「北海道で既に着手しているが、十分に収益の上がるビジネスモデルだ。システムなどの改善を重ねていき、2019年度上半期中に北海道内で対応店舗を約1000店舗へ増やし、さらに下半期以降は全国に順次拡大していく。需要のあるところでどんどんやっていきたい」

 --コンビニ市場は飽和感が広まっている

 「出店ありきとは考えていないし、どんどん路面店を作れる時代でないことは事実だ。ただ、消費者が不便を感じるところには積極的に出店していく。ビルの中層階や学校、病院などだ。例えば2018年はNECが入居する都内のビルの20階に、顔認証で決済ができる無人店舗を出した」

 「店舗の一番の課題は人の定着だ。店舗での作業はなるべくさまざまなテクノロジーを使って軽減し、接客に時間を使えるようにしていくことが必要だ」

 --今秋の消費税増税で景気の見通しは

 「消費は心理で動くものだ。元号が変わることやラグビーW杯、五輪などを控えていることなどさまざまなイベントの影響で消費の盛り上がりは期待できそうだ。増税の影響で消費者が価値を認める物しか買わないという心理がもっと強く出てくるのではないか。だからセブンでしか買えない、一味違う商品をもっとメーカーと協力して作っていきたい」

【プロフィル】古屋一樹

 ふるや・かずき 明治学院大商卒。1982年セブン-イレブン・ジャパン入社。取締役、常務、取締役専務執行役員などを経て2009年5月副社長。16年5月から現職。東京都出身。