【2019 成長への展望】JXTGエネルギー社長・大田勝幸さん(60)


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 ■首都圏でのガス小売り早期10万件へ

 --2017年4月のJXTGグループの誕生が後押しとなり、近年は石油製品の利幅が改善傾向にある

 「原油価格の上昇傾向や好調な海外市況といった良い環境の中で、需要に応じた供給を適正にやっていくのがわれわれの売り方だという明確なメッセージを出した。(特定の石油元売りのブランドの製品を扱う)特約店や他の元売りにも評価していただいたと思う。国内の燃料油の販売シェアが5割の会社(JXTG)がどういう売り方をするのかは注目されている」

 --全国1万3000カ所余りの系列給油所のブランドをENEOS(エネオス)に統一する年でもある

 「最も分かりやすい効果は、従来は複数のブランドが併存していたことで展開が難しかった統一的な販売施策が可能になることだ。典型的なのは、給油所で使うカードや販売するエンジンオイルだ。(ブランド統一により)特約店は商売しやすくなり、顧客にとっても分かりやすくなる。ただ、これが最終形とは思っておらず、エネオスの魅力をより高める必要がある」

 --電力小売りの手応えと、かねて検討してきた首都圏での一般家庭向けの都市ガス小売りへの参入は

 「電力小売りは昨年11月末時点で約53万件の申し込みがある。出だしは良かったが、足元では一巡感が出てきた。展開地域や提携ルートを広げるとともに、申し込みがしやすいように工夫し、100万件には乗せたい。また、首都圏での都市ガス小売り参入は早いうちにやりたい。新規参入なので、競争力のある料金プランを示す。なるべく早期に10万件を獲得したい」

 --今年4月に同じ元売り大手の出光興産と昭和シェル石油が経営統合するが、自社への影響は

 「出光・昭シェルが今年4月にロケットスタートを切れるとしても、われわれは先行しており、やるべきことをやる。元売りとしての再編はこれで一段落だと思うが、これから意識しなければならないのは、もっと大きな意味での競争条件や提携のあり方だ。従来のような電力やガス、石油といった商品ごとの縦割りではない、もっと大きな動きになるのは間違いない」

 --水素ビジネスを強化する方針も掲げている

 「20年東京五輪では水素の供給を担いたい。燃料電池車(FCV)に水素を補充する『水素ステーション』は全国で40カ所を展開しているが、五輪関連を中心にさらにいくつか手掛ける。五輪では水素の利活用が一つのテーマになるので、われわれもうまく寄り添いたい。一方、自動車向けに限らず、例えば発電用途や産業用途の可能性など、もっと大きな水素の使い方を探り、サプライチェーン(供給網)に関わりたい」

【プロフィル】大田勝幸

 おおた・かつゆき 東北大法卒。1982年日本石油(現JXTGエネルギー)入社。経理畑が長く、JXTGホールディングス取締役常務執行役員を経て2018年6月から現職。鳥取県出身。