日立、英原発計画凍結を正式発表 東原社長「これ以上、投資しない」

英アングルシー島で稼働中の原子力発電所。日立は隣接地に原発建設を計画していた(内藤泰朗撮影)
英アングルシー島で稼働中の原子力発電所。日立は隣接地に原発建設を計画していた(内藤泰朗撮影)【拡大】

 日立製作所は17日、取締役会を開き、英国における原子力発電所の新設計画の凍結を正式決定したと発表した。3兆円規模とされる事業費をめぐって英政府などとの協議が難航し、採算を見込める資金調達の枠組みが構築できないと判断した。日立は凍結に伴い、平成31年3月期連結決算で3千億円の損失計上を織り込み、業績予想を下方修正した。

 日本企業による海外への原発輸出は、米ウェスチングハウスを買収した東芝が巨額損失を出して撤退を決めたほか、三菱重工業もトルコの原発新設を断念する方向で、すべて頓挫する。東原敏昭社長は会見で、「合意には想定以上の時間がかかる。意思決定を遅らせてはコストがかさむ」と凍結の理由を話した。

 日立は24年に英原発事業会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」を889億円で買収。英中西部アングルシー島で原発2基を建設する計画で、30年から英政府に対し、資金調達などの枠組みに関する協議を本格化したが、諸条件で折り合うまでに至らなかった。

 関係者によると、日立は3兆円規模とされる事業費について、英政府と英金融機関が約2兆円を融資し、日立と他の日本企業、英側の3者が残る9千億円を分担する枠組みを想定していた。だが、英政府だけでなく、出資が期待された日本国内の電力大手も難色を示していたという。

 日立は買収にかかった費用などを含む3千億円を損失として計上する。今後の事業再開について、東原氏は「英政府から提案されれば再交渉もありうるが、これ以上の投資はしない」と否定的な考えを示した。