【プロジェクト最前線】タフで高機能な腕時計 カシオ計算機「プロトレックスマート」 (1/2ページ)

「プロトレックスマート」シリーズの開発を担当するカシオ計算機の坂田勝氏
「プロトレックスマート」シリーズの開発を担当するカシオ計算機の坂田勝氏【拡大】

  • 腕時計としての見やすさも重視(左)。中央の地図には、カシオ本社(東京・初台)までの坂田さんの通勤ルートが表示されている

 「スマートウオッチ」と聞いて多くの人が想像するのは、メールや電話の着信通知や、ランニングの距離や脈拍の記録などスマートフォンとの連携だろう。カシオ計算機の「プロトレックスマート」は、ひと味違う。“小さいスマホ”ではなく、携帯電話の電波が届かない登山などでの利用に特化した“高機能なアウトドア用腕時計”だ。

 平成28年に発売した第1弾の企画・開発期間は約3年。「当社としては珍しい長さ。『カシオの強みが生きる製品』というコンセプトをじっくり固めるためだった」と、リスト機器開発部の坂田勝商品開発室長は振り返る。たどり着いた答えは、累計1億本以上出荷している「Gショック」で培った「タフ(頑丈)さ」と、「腕時計としての基本性能」の両立だった。

 厳しい野外環境に対応するため、スマートウオッチとして世界初だった5気圧防水を採用した。耐衝撃・耐振動などの米軍規格に準拠した造りで、気圧計・高度計・コンパスの機能も搭載。スマホとの連携による地図機能などを備えたうえで、時刻を常に表示し、画面を触ったり傾けたりする必要がない仕様にした。

 ユーザーの声をうけ、アウトドア路線の追究は続いた。「携帯の電波が届かない山中でも使いたい」という声にこたえ、29年発売の第2弾はGPS(衛星利用測位システム)機能を加え、事前に地図データをダウンロードしておけば、時計単体で現在位置を把握し続けられるようにした。

 さらに、今月18日発売の新機種「WSD-F30」は「女性も使いやすく」という声を受け、バッテリーや回路設計の見直しで小型・軽量化した。設計変更はGPSセンサーの感度に影響するため「若手が試作機を着けて高尾山に毎週登り、性能を実地で確かめた」(坂田氏)という。

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