【パリ=三井美奈】会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告の妻、キャロルさんが、20日に公表された仏誌パリ・マッチ(電子版)のインタビューで、夫の勾留は「非人道的」だとして、マクロン仏大統領に書簡で支援を求めたと明らかにした。逮捕には仏政府にも責任の一端があると訴えた。
同誌によると、書簡は10日に提出された。キャロルさんは「仏政府との合意でルノーが合併を推め、日産が拒否した。このことは、夫に対する日本側の執(しつ)拗(よう)な対応と無縁ではないだろう」と述べた。書簡については、仏外務省を通じて、大統領が近く返事を出すと連絡があったという。
キャロルさんは「推定無罪の夫が、どうしてこんなに長く勾留されるのか」と述べて日本の司法制度を批判。夫はフランスの薬の服用が認められず、コレステロールの治療中断を迫られているなどと訴えた。キャロルさんは国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)にも、日本の司法制度を批判する書簡を送っている。