【クラウドWatch】大日本印刷、デジタルサイネージ開発


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 ■緊急時の音声を画像・文字で表示

 大日本印刷は、緊急速報や災害放送など、スピーカーから放送される音声に埋め込まれた信号を解析し、その音声に対応した画像や文字などの情報に切り替えて表示するデジタルサイネージ(電子看板)を開発した。

 このデジタルサイネージは、放送機器や音声機器などの製造販売を手掛けるTOAとの連携により、緊急速報や災害放送時の音声に埋め込まれた信号を解析し、必要な避難情報などに瞬時に切り替えて表示する機能を搭載した。従来のデジタルサイネージでは難しかった緊急時のコンテンツ変更を自動で行うことができ、運用面での負荷軽減と利便性を高められる。

 このデジタルサイネージは、17日の「ハーバーランドを含む神戸駅周辺地域・津波避難誘導合同訓練」に続き、21日の「東京都・町田市合同帰宅困難者対策訓練」で実証実験が行われる。

 神戸駅周辺地域の実験では、施設や周辺情報に詳しくない外国人観光客、居住者、障害のある人などに対して、聴覚(放送音)と視覚(デジタルサイネージ)を連動させた多言語による情報により、避難誘導がより的確に行えることを検証。

 町田市の実験では、多摩直下地震により、町田駅周辺において外国人観光客を含む多数の帰宅困難者が発生したとの想定で訓練を行う。デジタルサイネージを活用し、行政機関や駅、商業施設や公共施設の管理者などが連携し、混乱の防止や安全確保ができるかどうかを検証する。

 実証実験においては、TOAは放送される音声へ信号の埋め込みと信号の解析技術を担当、大日本印刷は解析された内容に応じてデジタルサイネージの表示を切り替えるシステムを担当する。

 両社は、実証実験を通じてノウハウを蓄積し、デジタルサイネージや関連システム、配信コンテンツなどを改善して、災害対策を必要とする地方自治体や公共交通機関、大型商業施設などに提供していく方針だ。(インプレスウオッチ)