【2019 成長への展望】SOMPOHD社長・桜田謙悟さん(62)


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 ■有事の際に社会性発揮できる体制へ

 --6月に監査役会設置会社から指名委員会等設置会社に移行する

 「当社グループは国内損害保険、国内生命保険、海外保険、介護と4つの事業を展開し、新たにデジタルという第5の柱を立ち上げ中だ。これだけ事業が広くなってくると、経営の監督と業務の執行を明確に分け、取締役会から経営会議に執行の権限を移して大胆かつ迅速に事業を推進する必要がある」

 --グローバル経営会議を新設するが、これまでの経営会議と何が違うのか

 「執行部門の最高位の会議体と位置付け、事業トップら10人で構成するが、海外事業トップと海外M&A(企業の合併・買収)統括を務める2人の外国人を入れる。これまでは全員日本人で構成しており、グローバルではなかった。世界では異業種が保険事業に参入し、デジタル技術を駆使してあっという間に業界を席巻しており、私には強烈な危機感がある。海外実務に精通し、事業に肌感覚があるトップに経営会議へ参加してもらい、グローバルに一番良いやり方や仕組みを共有して、資源配分なども決める仕組みにする」

 --ガバナンス(企業統治)の質はどう高める

 「指名、報酬、監査の3委員会は過半数が社外取締役で委員長も社外取にするのは当然だ。取締役会における社外取の比率は現在33%だが、最終的には大半を社外取にする。最高経営責任者(CEO)の暴走が典型的だが、こうした有事の際には社外取が一致団結してCEOを排除するなど、株主らを守るために団結して社会性を発揮できる体制にしなければならない」

 --デジタルを新たな収益の柱にする戦略は

 「始めて2年程度でまだ細い糸のようだが、サイバーセキュリティー事業の本格展開を開始したほか、デジタル技術によって保険や介護で数十億円のコスト削減効果を出すなど土台はできつつある。介護分野では施設などの現場を持っていて約10万人分の顧客データがあることが強みだ。ビッグデータを解析して、例えば軽度認知症の人がどんなリハビリをしたら改善しやすくなるかといったソリューションを提供したい」

 --2016年度から開始した5カ年の中期経営計画の進捗(しんちょく)は

 「海外市場で不透明感が強まっており、楽観できない。計画策定当初に描いていたような保険料水準の伸びはないだろう。ただ、大事なのは5年、10年先を見据えたグループの質的進化が起きているかどうかで、その点では企業文化の変革を含めて確実に進化していると思う」

【プロフィル】桜田謙悟

 さくらだ・けんご 早大商卒。1978年安田火災海上保険(現損害保険ジャパン日本興亜)入社。経営企画部長、社長などを経て2012年から現職。東京都出身。