自治体との協力体制も進めている。東京都練馬区とは、災害時にEVに蓄えた大電力を供給する協定を結んだ。日産は災害が発生した際にEVの試乗車を無料で貸与するほか、災害に強い街づくりを目指し、区が所有するパトロールカーを全てリーフに切り替えた。
EVと家をつなぐV2H
EVの給電機能を生かしてバッテリーに蓄えた電気を自宅で活用するヴィークル・トゥ・ホーム(V2H)の設置も始まっている。モデルハウスを使ったデモンストレーションでは、大停電が起きて真っ暗になった家の中でも、リーフを家につなぐだけで簡単に電気が普段通りに使える様子が披露された。キッチンのスイッチを押すだけで家全体が瞬時に明るくなり、IHコンロやテレビ、エアコンやドライヤーが当たり前に使えるようになるのだ。リーフ1台で、日本の一般家庭で4日間ほど電力を賄えるという。
その力は家庭だけでなく、ビルや事業所のような大きな建物でも発揮される。「ヴィークル・トゥ・ビルディング(V2B)は2019年の市場導入を目指しており、43階建ての高層マンションで行った実証実験では、40kWhのリーフ1台でエレベーターを100往復させることができました。たとえば高層マンションで1台、『e-シェアモビ』などのシェアリングサービスでリーフを置いておけば安心・安全な生活が送れるようになります」