【ハザードマップ】シベール/エージー・コーポレーション

 ■成功体験脱却できず次の一手躊躇

 ▼シベール シベールは1月17日、山形地裁に民事再生法の適用を申請した。山形県での上場会社の倒産は、2000年9月に民事再生法の適用を申請した東証2部上場で、配電盤・制御盤製造の川崎電気(南陽市)以来、18年4カ月ぶりとなる。

 シベールは山形県や宮城県が地盤の洋菓子メーカー。ラスクは高い知名度を誇り、贈答用ラスクは特に有名で、ラスクブームの一角を占めた。05年7月、ジャスダックに上場。店頭販売のほか、通信販売、百貨店などの卸売りを手掛け、08年8月期は売上高44億5389万円を計上した。

 しかし、贈答品の売り上げが減少するなど経営環境が悪化。18年8月期の売上高は26億7092万円と減収に歯止めがかからず、3期連続の営業赤字を余儀なくされ、継続企業の前提に関する重要事象を記していた。

 キャッシュフローも悪化し、資金繰りが限界に達し19年1月18日に支払期限が到来する債務の弁済が困難となり、今回の措置となった。今後、スポンサーに対して事業を譲渡する計画。

 ▼エージー・コーポレーション エージー・コーポレーションは1月16日、東京地裁から破産開始決定を受けた。

 同社はサンドイッチチェーン店「サブウェイ」のフランチャイズ(FC)店舗を首都圏を中心に展開。ピーク時には約20店舗を運営していたほか、ステーキ店のFC店も手掛けていた。

 近年はサブウェイ事業の不調に伴い、チーズケーキチェーン、牛タン専門店、猫カフェなどの新業態に相次いで参入。2018年3月期には売上高約17億4900万円を上げたものの、新規出店や人件費などの増加による経費負担が重荷となり、厳しい経営が続いていた。その間、不採算店の見直しを行い、19年1月上旬までにサブウェイFC店を9店舗まで縮小するなど業況の改善を図ったものの、資金繰りが限界に達し今回の措置となった。

【会社概要】シベール

 ▽本社=山形市蔵王

 ▽設立=1970年10月

 ▽資本金=4億8835万5000円

 ▽負債額=19億6298万円

【会社概要】エージー・コーポレーション

 ▽本社=東京都品川区

 ▽設立=2001年4月

 ▽負債額=約11億6400万円

 〈チェックポイント〉

 シベールはラスクブームの火付け役だったが、他社が追随するなかで優位性が薄れた。民事再生申請後の記者会見で社長は「成功体験から脱却できなかった」と述べた。ライバルに追われるのは先駆者の宿命。ラスク1本で成長してきたために逆に看板商品にとらわれ、次の一手を躊躇(ちゅうちょ)する体質に陥ったのかもしれない。

 エージー・コーポレーションはFC(フランチャイズ)店の運営に特化する戦略だったが、主力のサブウェイ事業の不振のあおりを受けた。ブームや嗜好(しこう)変化のサイクルが加速し、FC店の経営も容易ではない。サービスの質は当然ながら、立地などあらゆる面を考慮に入れた事業戦略が不可欠となってくる。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)