京浜急行電鉄は28日、目の錯覚を活用した案内手法「錯視サイン」を鉄道事業者として初めて導入した。羽田空港国際線ターミナル駅の床に貼り付けた絵が立体的に浮かび上がって見え、京急線ホーム行きのエレベーターの方向を示す。
錯視サインは平面に描かれた絵や図形が立体的に見える目の錯覚を利用。公開されたサインは、案内が浮き上がると同時に、矢印型の穴が床に空いているように見える。国籍や年齢を問わず効果的に表現できるため、羽田空港に到着した訪日外国人旅行者にも効果があると期待している。
同駅では、改札から死角の位置にある3基のエレベーターの利用者が少なく、エスカレーターが使われるケースが多い。ただ、エスカレーターはスーツケースの落下事故なども懸念されることから、錯視サインでエレベーターへの誘導を進める狙いがある。また、立て看板などと違い、視覚障害者や車いす利用者の通行の邪魔にならないなどのメリットもある。
京急は同駅での反応をみながら、状況に応じて他の駅でも錯視サインを展開する考えだ。