AIで交通事故撲滅 京都府警が仕掛ける分析システム (3/3ページ)

京都府警が運用するGIS交通事故分析のパソコン画面。事故が多発するエリアが濃淡で示される=京都市上京区
京都府警が運用するGIS交通事故分析のパソコン画面。事故が多発するエリアが濃淡で示される=京都市上京区【拡大】

 分析・検証には課題も

 京都府警では、交通事故分野で効果を発揮しているGISだが、今後の課題となるのは「何が」「どう関連して」事故や事故防止につながったのか、という効果の検証だという。

 「例えば、ある交差点で出合い頭の事故が多いのであれば、一旦停止の取り締まりを強化すれば事故防止につながるという経験則はある。同じような相関性は他にもたくさんあるはず」と交通企画課の担当者。GISで集約した多様なデータを分析することで、事故と、事故を減らすための行動の相関性を見つけ出す必要がある。

 その際には、天候や時間帯はもちろん、路面状況や平均速度、どんな目的で運転している人が多いかなど、多岐にわたる項目から事故に関連するものをピックアップしていくことになる。データによっては、こうした分析・検証作業はAIの方が得意であり、人が気付かなかった相関性を見つけ出せる可能性がある。潜在的に交通事故が起きやすいエリアの特定にもつながる可能性もあり、さらなる事故防止が期待できるという。

 将来的には、自動運転の実現などで、さらに新たなデータが求められる時代が来る可能性もある。同課幹部は「現状のシステムにとらわれずに、時代の要請に合わせてシステムを変化させていきたい」と話した。