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JR東、スイカ簡易版システム導入 コスト下げ共通基盤化 (1/2ページ)

 JR東日本が、同社の交通系ICカード「Suica(スイカ)」で、現状よりも導入費用を大幅に軽減する簡易版の新システムを早ければ2019年度中にも導入する方針であることが6日、分かった。現在、東北地方などJR東管内でもスイカ未導入エリアがあるが、簡易版で管内全域での導入を想定する。深沢祐二社長が同日までにインタビューに応じ、明らかにした。

 政府がキャッシュレス化を推進していることに対応し、スイカを利用できる環境を大幅に増やし、交通機関や小売業での採用を進め、決済機能などの社会共通基盤としての存在感を高める狙いだ。

 現在のスイカは自動改札での使用を前提にしているため、カードと読み取り端末機間のデータのやりとりを高速で行う。端末機には高度の処理能力が欠かせず、端末価格が高価になっていた。その結果、駅での導入は利用者の多い首都圏や仙台圏などに限定されている。

 深沢氏は、「クラウド技術を使い、端末側で情報を持たないシステムにすることで、導入する際のコストを引き下げる」と、簡易版の開発の狙いを強調。現在のスイカが過剰な性能となっていることから、データの処理量や速度を落としても、十分利用できるものにする考えだ。

 既に、JR東は地方のバスなど地域交通事業者向けに、運賃支払い用のICカードにスイカ決済の機能を搭載する「地域連携ICカード」の開発を表明している。地域交通事業者にとっては、スイカの新システムを活用することで、スイカ決済の導入費用を軽減できる。同事業者の導入が進めば、地方の外食や小売り店舗での導入の動機づけにもなる。

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