
フレーバーライフのオフィスの一室=東京都国分寺市【拡大】
働き方改革の普及に伴い、産業界でさまざまな取り組みが始まっているが、「快適で働きやすいオフィスづくり」の優先度は総じて高い。そんな中、木造住宅づくりなどで培った「木」の知見、ノウハウを使ってオフィスづくりを進めているのが住友林業だ。木という自然素材を使うことで、「心地よく安らぎを感じる健康的な空間を作り出せる」(木化営業部営業チームの出口俊係長)ことが最大のセールスポイント。「木」のプロフェッショナル集団だからこそできる、斬新なオフィスに注目が集まりつつある。
癒やしや調湿効果
JR国分寺駅(東京都国分寺市)の駅前通りを歩くとすぐに木と鉄骨でできた7階建てのハイブリッドビルが現れる。アロマ製品を手掛けるフレーバーライフ(同)の本社ビルで、住友林業が施工を担当。1~3階は外装を木質化、4~7階は鉄骨を木で覆う「木質ハイブリッド集成材」と呼ばれる構造体を採用し、木のビルを完成させた。
フレーバーライフの社員からは「木が豊富な広々とした空間になったことで、社員同士のコミュニケーションが活発になり、業務にも好影響を与えている」「自分のペースで落ち着いて仕事に取り組める」といった声が寄せられているという。
住友林業が住宅以外のいわゆる非住宅事業に本格的に取り組むようになったのは、2010年に施行された「公共建築物等の木材利用促進に関する法律」がきっかけ。公共施設のほか民間商業施設にも木造化、木質化の波が広がり、同社は介護施設などの福祉施設、ホテル、旅館など商業施設をターゲットに非住宅事業を進めてきた。