新電力を迎え撃つ側の大手電力は一様に「競争は厳しい」と話すが、手をこまねいているわけではない。
東電HDの森下義人常務執行役は「(工場や企業向けを中心とした域外での)全国販売、ガス販売などに全社を挙げて取り組む」と語る。関電の岩根茂樹社長も「電気とガスをセットにしたメニューや、(価格面で強みのある)『オール電化』の魅力をしっかりと訴求していく」と強調する。
切り替えの動きを地域別にみると、大手電力にとって強敵となる大手ガス会社の地盤があるとともに、人口が集中して需要の大きい大都市圏が先行している。
家庭向けで、昨年9月時点の大手電力から新電力への切り替え率は、東電HD管内が17・6%、関電管内が16・3%、中部電力管内が10・0%と、三大都市圏を抱える3社はいずれも2桁に乗せた。北海道電力管内も12・7%だったが、過去に実施した2度の値上げで顧客が新電力に流れた影響もあったとみられる。これに対し沖縄、北陸、中国の各電力管内は5%未満で、地域差が鮮明になっている。
また、電気は価格以外の要素で他社と差別化を図るのが難しく、価格競争に陥りやすい。電気料金が下がれば消費者は恩恵を受けるが、価格競争が行きすぎれば参入企業は疲弊する。