マネジメント新時代

EV用ワイヤレス給電、いよいよ本格化か (1/3ページ)

和田憲一郎

 電気自動車(EV)用のワイヤレス給電は、長年2社間で、国際規格標準化をめぐり激しい争いを続けてきた。しかし、この2月、米ベンチャー企業、ワイトリシティが、米半導体大手クアルコムのEV向けワイヤレス給電事業「クアルコム・ハロ」を買収することで決着した。これによって、EV向けワイヤレス給電の実現が本格化すると思われる。ワイヤレス給電は約10年前から提案されてきたアイデアであるが、なぜ10年もの長きにわたり標準化争いが続いてきたのであろうか。筆者も過去にワイヤレス給電に携わった経験があり、考えを述べてみたい。(日本電動化研究所 代表取締役・和田憲一郎)

 国際規格標準化の実現へ

 筆者がワイヤレス給電に関心を持ったのは10年以上前になる。自動車メーカーで電気自動車開発に携わっていた頃、充電方式は普通充電と急速充電の2方式であった。いずれもケーブルを車両に接続しなければならず、雨天時や女性にとって不便であり、何か良い方法はないものかと考えていた。マサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンアウトした技術者が「磁界共鳴」という新技術でワイトリシティを立ち上げたのが、2007年のことだ。

 彼らは企業立ち上げ後に、筆者にもコンタクトしてきた。最初に話を聞いたとき、眉唾モノではないかと思った。というのは、ケーブルがなく、上下に電気を飛ばすことがどうしても信じられなかったからである。当時は50~100ワットレベルの小電力であったが、試作品を見せてもらうにつれ、ひょっとしたらモノになるかもしれないと思った。それ以降、次第に伝送能力が高まり、11年頃になると、1キロワットレベルまで伝送可能となった。

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