国際規格標準化が決着することで大きな前進をみるが、課題もある。とくに大きな課題は、車両とグランド側の送電装置との相互互換性(インターオペラビリティ)ではなかろうか。どのような車両が来ても、送電装置と問題なくワイヤレス給電を行うことが必須となる。
急速充電の世界では日本発の急速充電規格「CHAdeMO(チャデモ)」の普及を目指すチャデモ協議会が中心となり、運用の互換性を担保する認証制度を設けている。急速充電器メーカーは、同協議会が指定する認証機関で認証試験を実施。その後、同協議会は認証機関からの書面の内容を審査し、当該製品に証書を発行している。
このように、多くの機器が存在すると、相互互換性をどう保つかが重要となってくる。現時点はこれを担う機関や方法も不明なため、今後の重要なテーマとなるのではないだろうか。
◇
【プロフィル】和田憲一郎
わだ・けんいちろう 新潟大工卒。1989年三菱自動車入社。主に内装設計を担当し、2005年に新世代電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」プロジェクトマネージャーなどを歴任。13年3月退社。その後、15年6月に日本電動化研究所を設立し、現職。著書に『成功する新商品開発プロジェクトのすすめ方』(同文舘出版)がある。62歳。福井県出身。