なぜこうも日本でキャッシュレスが根付かないのかは諸説ありますが、個人的には、理由の1つに、Suicaというものの存在が大きかったのではないかと思います。2001年11月にはじめて発行されたSuicaは、2018年3月には6942万枚(JR東日本調べ」)の発行枚数を誇っています。キャッシュレスの文脈でいうとSuicaがあればQRコード決済も特に必要ないわけですね。もちろんチャージ限度額があるなど、マイナスポイントもあるのですが、日常生活で利用する分には事足りてしまったりするのが現実です。Suicaは、本当にすごい仕組みだと思います。
だからもし、JRが早いうちに本気でキャッシュレス決済事業の拡大に取り組んでいたら、大勝ちしていた可能性もなきにしもあらずだったなと妄想してしまいます。QRコード決済では電車に乗れませんが、Suicaでは電車に乗るだけではなく売店などで買い物までできてしまいます。「Suicaなどで十分暮らせてますけどQRコード決済は必要ですかね?」というのが、多くの日本の消費者の本音かもしれません。
スタートアップの注目株は?
さて、そんなわけで、今日の日本では、雌雄を決する戦が繰り広げられているわけですが、僕が決済系スタートアップ企業の中で、とりわけ注目しているサービスがあります。それが、Origami Payです。プレスリリースなどを見ると、地方銀行、信用金庫などの地方金融機関との提携をしっかり結んでいて手堅くビジネスを展開している姿が浮かび上がってきます。どうして地方金融機関とつながっていると強いのでしょうか。