高論卓説

過去最多の無投票当選 制度の欠陥露呈、民意反映とはいえず (2/2ページ)

 一度選挙になったら、得票数の多い順に定数に至るまで当選人が決まるわけだが、当選人の得票数は、最低限、法定得票数に達している必要がある。法定得票数は、有効得票の総数を定数で除した数の4分の1だ。一方、無投票当選者は、法定得票を獲得した事実すらもたないということになる。民主主義を実現するという制度としての根幹の部分で、不備があると言わざるを得ない。

 せめて法定得票を獲得しているということを明示できる仕組みが構築できないものか。立候補者数が定数を超えない時でも投票を行い、法定得票を獲得することで当選人とすることは一つの方法だ。

 もちろん、コストの問題は残る。統一地方選挙に限らず複数の選挙を同日に行うことはコスト削減にかなうし、セキュリティー問題を解消しインターネット投票の実現にも期待したい。

 在学中から、公職選挙法という一つの制度の是正の方途を模索してきたことが契機となって、その後、組織・人事制度の構築や改善・運用に従事してきた。大局的に、そして、生活全般にわたり多大な影響を与える行政の長や議員を選出する制度の根本にある、無投票当選規定という欠陥を放置しておいてよいとは到底思えない。

【プロフィル】山口博

 やまぐち・ひろし モチベーションファクター代表取締役、慶大卒。サンパウロ大留学。第一生命保険、PwC、KPMGなどを経て、2017年モチベーションファクターを設立。横浜国立大学非常勤講師。著書に『チームを動かすファシリテーションのドリル』『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社)。長野県出身。

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